工程管理テンプレート(エクセル・会員登録不要・無料DL) このページでわかること(2026-05-29時点の情報) - 工程管理テンプレートをエクセルで無料ダウンロードできる。シート構成は「日次管理・月次集計・ライン別集計・異常時対応・改善提案・使い方」で、達成率・不良率・設備稼働率が自動計算される製造工程向けの様式です。Googleスプレッドシートで編集したい場合は、ダウンロード後にGoogleドライブへアップロードして変換できます
- ガントチャート形式で日程を引きたい場合は工程表テンプレート エクセル(月別のガント表が入っています)が使えます。本ページのエクセルは製造ラインの日次実績を追う様式です
- WBSの作り方・依存関係・マイルストーン設計・クリティカルパスの基本がわかる(このページでの解説です)
- 建設業2024年問題対応・IT開発・イベント運営の業種別工程管理ポイントと、デジタル化補助金を活用したSaaS移行比較がわかる
配布するエクセルの中身(製造工程の日次・月次管理表)
先に中身をお伝えします。本ページで配布しているエクセル(kojo_kanri_full.xlsx)は製造ラインの生産実績を日々記録して、達成率・不良率・設備稼働率を自動計算する様式です。日程をバーで引くガントチャート形式の工程表をお探しの場合は、工程表テンプレート エクセル(年間サマリ+2026年1月〜12月の月別ガント表)のほうが合います。
| シート名 | 入力するもの | 自動で出るもの |
| 日次管理(1〜31日) | 日付・ライン・製品・計画数・実績数・不良数・稼働開始/終了・設備停止(分)・担当・備考 | 達成率(実績÷計画)・不良率(不良÷実績)・稼働時間・設備稼働率 |
| 月次集計 | —(日次管理から集計) | 計画数・実績数・不良数・稼働時間・設備停止の月合計と、達成率・不良率・設備稼働率 |
| ライン別集計 | —(日次管理から集計) | ラインA〜Dごとの実績合計・不良合計・不良率 |
| 異常時対応 | 日付・発生時刻・ライン・事象・原因・応急処置・恒久対策・完了日・担当・備考 | —(記録用の一覧) |
| 改善提案(30行) | 提案日・提案者・現状の課題・改善案・期待効果・実施日・結果 | 状態列はドロップダウン(提案/検討中/承認/実施中/完了/却下) |
| 使い方 | — | 入力の順番を6ステップで記載 |
このエクセルが向いている使い方
- 製造・加工現場の日々の生産管理:ラインごとの計画数と実績数を並べ、達成率と不良率の推移を1ヶ月単位で追う
- 設備の停止時間の管理:稼働開始・終了と設備停止(分)を入れると設備稼働率が出るため、停止の多いラインを特定できる
- 不具合とカイゼンの記録:異常時対応シートに事象・原因・恒久対策を残し、改善提案シートにカイゼン案を蓄積する
工程管理の基本(初心者向け完全ガイド)
ここからは、配布ファイルの解説ではなく工程管理そのものの進め方をこのページで解説します。工程管理は単なるスケジュール表ではなく「計画→実行→監視→調整」の継続的なマネジメント活動です。工程と進捗の記録方法を社内で統一しておくと、遅れの検知と原因の特定が早くなります。
工程管理の4サイクル
| ステップ | 内容 | 使うツール |
| 計画(Plan) | WBSでタスクを分解→依存関係を整理→ガントチャートで可視化 | 本テンプレート・エクセル |
| 実行(Do) | 担当者へのタスク割当・着手日の確認 | タスク管理ツール・チャット |
| 監視(Check) | 進捗率の更新・遅延タスクの検出・残タスク量の把握 | 本テンプレートのダッシュボード |
| 調整(Act) | 遅延原因の特定→リソース再配分・工期変更・クライアント報告 | 議事録テンプレート・報告書 |
WBS(Work Breakdown Structure)の作り方
WBSはプロジェクト全体の作業を階層的に分解する手法です。「大きな仕事を細かいタスクに砕く」ことで、工数見積もり・担当者割当・進捗管理が格段にやりやすくなります。
| 階層 | 例(Webサイト制作プロジェクト) | 管理の粒度 |
| レベル1(フェーズ) | 要件定義 / デザイン / 開発 / テスト / 公開 | マイルストーン単位 |
| レベル2(タスクグループ) | 開発 → フロントエンド / バックエンド / DB設計 | 担当チーム単位 |
| レベル3(タスク) | フロントエンド → トップページ実装 / 商品一覧実装 | 1人・1〜3日で完結する粒度 |
タスク粒度の目安
- 大きすぎるタスクの問題:「サイト開発(30日)」では進捗が見えない。「遅れているかどうか」が分からない
- 適正な粒度の目安:1人で1〜5日で完了できる単位。これをWBSのレベル3に設定する
- 建設業での粒度:「○○棟基礎打設(3日)」「外壁塗装(5日)」など工事区分単位が適切
依存関係の設定
| 依存関係の種類 | 意味 | 代表的な例 |
| FS(終了→開始) | 前タスク完了後に次タスク開始 | 設計書完成後にコーディング開始 |
| SS(開始→開始) | 前タスク開始と同時に次タスク開始可 | 基礎工事開始と同時に資材搬入開始 |
| FF(終了→終了) | 前タスク完了と同時に次タスク完了 | 施工完了と同時に検査完了 |
| SF(開始→終了) | 前タスク開始後に次タスク終了 | 後継システム稼働後に旧システム停止 |
マイルストーンの設計ルール
- 目に見える成果物の完成タイミングに設定する:「設計書完成」「テスト完了」「納品」など
- 中間マイルストーンを月1回以上入れる:長期プロジェクトは3ヶ月に1回が遅延検知の目安
- マイルストーンに予備日(バッファ)を付ける:作業期間の10〜15%をバッファとして確保する
- ステークホルダーへの報告タイミングと合わせる:上長・クライアントへの進捗報告日にマイルストーンを置くと管理しやすい
業種別の工程管理(詳細ガイド)
製造業の工程管理(本ページのエクセルはここに使います)
製造業の工程管理は、プロジェクトの日程を引く工程管理とは管理する対象が違います。日程ではなく1日あたりの生産数・不良数・設備の動いていた時間を毎日記録し、計画とのズレを翌日以降の段取りに反映していきます。配布しているエクセルはこの用途の様式です。
| 管理項目 | 見る数字 | エクセルでの入力先 |
| 生産の達成度 | 達成率=実績数÷計画数 | 日次管理シートの「計画数」「実績数」 |
| 品質 | 不良率=不良数÷実績数 | 日次管理シートの「不良数」 |
| 設備 | 設備稼働率=(稼働時間−設備停止)÷稼働時間 | 日次管理シートの「稼働開始/稼働終了/設備停止(分)」 |
| ライン間のばらつき | ラインA〜Dごとの実績合計・不良率 | ライン別集計シート(日次管理から自動集計) |
| トラブルの再発防止 | 事象・原因・恒久対策・完了日 | 異常時対応シート |
| カイゼンの進み具合 | 提案→検討中→承認→実施中→完了 | 改善提案シートの「状態」列(ドロップダウン) |
建設業の工程管理(2024年問題対応)
建設業は元請・下請・材料メーカー・行政(検査)が複雑に絡み合うため、工程管理の難易度が最も高い業種のひとつです。2024年4月から 出典: 厚生労働省 時間外労働上限規制
(2026/5/29確認)
が建設業に適用されたことで、工程設計の段階から「月45時間・年360時間」を超えない計画を立てることが義務になりました。
2024年問題とは(建設業が直面する制度変化)
| 変化の内容 | 詳細 |
| 時間外労働の上限規制(2024年4月〜) | 原則:月45時間・年360時間。災害復旧等を除き休日労働含め月100時間未満 |
| 週休2日制の推進 | 4週8休(月8日休暇)を工程表に明示して発注者と合意する必要がある |
| 適正工期の確保 | 出典: 国交省 工期に関する基準
(2026/8/26確認)
に基づく準備期間・天候予備日の確保が必須 |
建設業工程管理の必須チェック項目
| 管理項目 | 建設業特有のポイント |
| 下請業者の工程 | 複数業者の入場予定・作業エリアの重複を週次で調整する |
| 資材搬入・保管 | 資材の納品日と施工日のズレをバッファで管理する |
| 行政検査・中間検査 | 検査日は変更できないため逆算して工程を組む |
| 天候リスク | 外工事(コンクリート打設・外壁・屋根)は天候による遅延を見込んだ予備日を設定 |
| 安全管理との連携 | KY(危険予知)ミーティング・安全巡視の実施タイミングも工程表に含める |
| 週休2日の設計 | 工程表の日付欄で土日・祝日に休日の印を付け、稼働日のみを数えて工期を計算する |
適正工期を確保するための工程設計ルール
| 確保すべき期間 | 標準的な目安 | 工程表での反映方法 |
| 準備期間 | 契約締結後〜着工までに2週間〜1ヶ月 | 0番工程として工程表の先頭に明示 |
| 休日(4週8休) | 週休2日制(土日・祝日) | 日付欄に休日の印を付け、稼働日のみをカウント |
| 天候予備日 | 外工事日数の10〜15% | 各フェーズ末にバッファとして組み込む |
| 工事完成後の検査期間 | 2週間〜1ヶ月 | 引渡し前検査として工程末尾に配置 |
IT開発の工程管理(アジャイル vs ウォーターフォール)
| 比較項目 | ウォーターフォール | アジャイル(スクラム) |
| 工程の進め方 | 要件→設計→開発→テスト→リリースの順次実行 | 2〜4週間のスプリントを反復 |
| 向いているプロジェクト | 要件が固まっている・大規模・官公庁案件 | 要件変更が多い・スタートアップ・新規サービス |
| このテンプレートとの相性 | ◎ ガントチャート形式で管理しやすい | △ スプリント管理はBacklog/Jiraが向いている |
| 進捗の可視化 | ガントチャートで期間・担当者を管理 | バーンダウンチャート・カンバンボード |
イベント運営の工程管理
| 時期 | 主なタスク |
| イベント3〜6ヶ月前 | 会場予約・出演者交渉・予算策定・集客開始(SNS/チラシ)・スポンサー打診 |
| 1〜3ヶ月前 | チケット販売・物販品の発注・スタッフ採用・進行台本作成・PA/照明手配 |
| 2〜4週間前 | リハーサル実施・緊急連絡網整備・当日設営計画の確定・雨天対応プランの策定 |
| 前日 | 会場設営・機材チェック・スタッフブリーフィング・緊急対応マニュアル確認 |
| 当日 | 開場・進行・撤収・売上集計・スタッフへの謝礼 |
エクセルテンプレートの機能説明と使い方
ガントチャートで工程表を組む手順(このページでの解説)
- WBSでタスクを分解して一覧にする
「タスクID・タスク名・担当者・開始予定日・終了予定日・依存タスクID・進捗率」の列を作り、階層はインデントで表現します
- 日付欄に休日の印を付ける
祝日・週休日・夏季休暇をあらかじめ休日としてマークし、稼働日だけで工期を数えます
- バーを引いて全体を確認する
開始日〜終了日のセルを塗ってバーにします。遅延しているタスクは条件付き書式で赤色強調しておくと気づけます
- 進捗率を毎日または週次で更新する
担当者が進捗率(0〜100%)を更新し、バーの塗りつぶし量を合わせます
よくある失敗と対策
| よくある失敗 | 原因 | 具体的な改善策 |
| 計画時と実績が大きくズレる | タスクの粒度が大きすぎる・バッファなし | タスクを1〜3日単位に分割し、フェーズ末に10〜15%のバッファを設ける |
| 進捗更新が誰もしない | 更新ルールが不明確・作業が面倒 | 週次で進捗率を更新する「担当者ルーティン」を設ける |
| 遅延に気づくのが遅い | ガントチャートを定期的に見ない | 毎週月曜に30分の「工程確認ミーティング」を習慣化する |
| 依存関係の考慮漏れ | 個人作業単位でしか考えていない | WBS作成後に「このタスクの前提は何か」を全タスクで確認する |
工程管理を効率化するSaaS(エクセル限界の次のステップ)
デジタル化・AI導入補助金で工程管理SaaSを導入する
2026年度から「IT導入補助金」が「 出典: デジタル化・AI導入補助金 制度概要
(2026/8/26確認)
」に名称変更されました。AI機能付きのSaaS導入も支援対象です。 出典: デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠
(2026/8/26確認)
によると、通常枠の補助率は1/2以内(一定の要件を満たす場合は2/3以内)、補助額は1プロセス以上で5万円以上150万円未満・4プロセス以上で150万円以上450万円以下です。認定IT導入支援事業者経由での申請が必要です。
工程管理SaaS 比較表(2026年版)
| サービス名 | 対象業種 | 主な特徴 | 料金目安 | デジタル化補助金 |
| ANDPAD | 建設業専用 | 施工管理・写真管理・下請業者連携。導入8年連続シェアNo.1(23万社以上利用) | 月額¥5,000〜/現場 | 対象あり |
| Backlog | IT開発・Web制作 | ガントチャート・課題管理・Git連携。プログラマー向け | 月額¥2,970〜 | 対象あり |
| Asana | 全業種 | タイムライン・自動化・ダッシュボード。デザイン系に強い | 月額¥1,200/人〜 | 対象あり |
| Trello | 全業種・小規模向け | カンバンボード・シンプル操作。無料から始められる | 無料〜月額¥630/人 | 対象あり |
| Microsoft Project | 大規模プロジェクト | 高度なガントチャート・リソース管理。Microsoft 365と連携 | 月額¥1,360〜 | 要確認 |
工程管理と関連書類の連携
| 書類の種類 | 工程管理との連携ポイント |
| 発注書・注文書 | 資材・外注の発注タイミングをガントチャートから逆算して発行 |
| 週次報告書 | ガントチャートの進捗率をそのまま週報に転記できる |
| 会議議事録 | 工程変更の決定事項を議事録に記録し、ガントチャートを更新する |
| 検査・品質記録 | 検査日をマイルストーンとして工程表に明示する |
関連テンプレート
工程表と工程管理の違いは?
工程表は「いつ・何を・誰が行うか」を視覚化した計画書、工程管理は「計画通りに進んでいるか」を監視・調整するマネジメント活動です。工程表はツール(ガントチャート・PERT図等)で作成し、工程管理はそれをベースに進捗確認・遅延対応・リソース調整を行う継続的なプロセスです。
進捗管理とどう違う?
工程管理はタスクの「順序・依存関係・スケジュール全体」を設計・管理するもの、進捗管理は個々のタスクの「完了率・残タスク量」を追跡するものです。工程管理の中に進捗管理が含まれるイメージです。本ページで配布しているエクセルは、日次管理シートで計画数と実績数を並べて達成率を出すため、進捗管理の側を担当します。スケジュール全体の設計手順はこのページで解説しています。
ガントチャートとPERT図の使い分けは?
ガントチャートは「いつからいつまで」を時系列で把握するのに優れ、PERT図は「タスク間の依存関係・クリティカルパス」を把握するのに優れます。プロジェクト全体のスケジュール共有にはガントチャート、複雑な依存関係を持つ工程の最短完了経路を分析するにはPERT図を使います。
アジャイルとウォーターフォールどちらに向いている?
このページで解説している工程設計の手順は、ウォーターフォール型(要件定義→設計→開発→テスト→リリースの順次進行)を前提にしています。アジャイル開発(スプリント単位の反復開発)を行う場合は、スプリントバックログ管理ができるBacklog・Jiraなどの専用ツールが向いています。
10人以上のチームでエクセル工程管理は限界がある?
10人以上の同時編集・リアルタイム更新が必要になるとエクセルでは同期ズレや上書き事故が起きやすくなります。クラウド型工程管理SaaS(Backlog・Asana・ANDPAD等)への移行タイミングの目安は「同時編集者が3人以上」または「プロジェクトが3案件以上並行」です。
建設業の工程管理は適正工期確保ガイドラインに準拠していますか?
このページで解説している工程設計は、国土交通省の適正工期確保のガイドラインおよび2024年4月施行の時間外労働上限規制(月45時間・年360時間)と整合する組み方を前提にしています。4週8休(週休2日)を反映した稼働日数で工期を計算するため、工程表の日付欄で土日・祝日に休日の印を付けてから日数を数えてください。
デジタル化・AI導入補助金で工程管理SaaSを導入できますか?
はい。2026年度から「IT導入補助金」が「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更され、AI機能付きのSaaS導入も支援対象となりました。ANDPAD・Backlog・Asanaなど主要な工程管理SaaSが補助対象に登録されています。通常枠の補助率は1/2以内(一定の要件を満たす場合は2/3以内)、補助額は4プロセス以上で150万円以上450万円以下です。認定IT導入支援事業者経由での申請が必要です。
クリティカルパス(全体の工期を決めている経路)はどう求めますか?
各タスクの所要日数と依存関係を書き出し、着手から完了までの経路のうち合計日数が最大になるものをたどります。ここが1日遅れると全体が1日遅れる経路です。考え方はこのページの「依存関係の設定」で解説しています。配布しているエクセルは製造工程の日次・月次管理表なので、この計算は手元の工程表で行ってください。複雑な依存関係(200タスク超・SS/FF/SF混在)を扱う場合はMicrosoft Project・Backlog・OmniPlan等の専用ツールが向いています。
参考文献・出典
本ページの内容は以下の公的情報源に基づき作成しています(2026-05-29 確認時点)。