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秘密保持契約書(NDA)

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最終更新: 2026年5月5日 WordPDF 会員登録不要・無料
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記入例・書き方サンプル (記入済みのサンプルPDF)

双方向NDA・片務NDAの2種類を同梱・記入例PDF付き

秘密保持契約書(NDA)とは:基本と用途

秘密保持契約書(NDA:Non-Disclosure Agreement)とは、取引先・業務委託先・コンサルタント・M&A検討相手などとの間で、開示した機密情報を外部に漏らさないことを約束する契約書です。

企業間の新規取引・共同開発・業務提携の前段階では、相手方に事業計画・技術情報・顧客リストなどを開示する必要が生じます。NDAはその情報を守るための法的根拠となります。

NDAが必要になる代表的な場面

  • 新規取引先への初回提案・デモ前
  • 業務委託(外注・フリーランス)先への仕様書・設計書開示
  • コンサルタント・アドバイザーへの経営情報開示
  • M&A・資本業務提携の検討段階(デューデリジェンス前)
  • 共同研究・共同開発の開始前
  • システム開発・デザイン委託時

秘密保持誓約書(T020)との違い(重要)

このページで配布しているNDA(秘密保持契約書)は取引先・業務委託先などの「法人・事業者間で締結する契約書」です。

一方、従業員が会社に対して一方的に義務を誓う書面は「秘密保持誓約書」であり、用途・形式・内容が異なります。雇用時・退職時の従業員向けには 秘密保持誓約書テンプレート(T020) をご利用ください。

項目 秘密保持契約書(NDA) 秘密保持誓約書(T020)
当事者 法人・事業者間(対等な立場) 従業員から会社への一方的誓約
義務の方向 双方向または片務(選択) 一方向(従業員のみ)
主な使用場面 取引・委託・M&A・共同開発前 雇用時・退職時の従業員管理
法的根拠 契約自由の原則・不正競争防止法 就業規則・雇用契約との整合が必要

双方向NDA vs 片務NDA

NDAには双方向(相互)NDA片務(一方向)NDAの2種類があります。状況に合わせて適切なほうを選択することが重要です。

項目 双方向NDA(相互NDA) 片務NDA(一方向NDA)
義務を負う当事者 両者とも秘密保持義務あり 情報を受け取る側のみ
情報の流れ 相互に機密情報を開示し合う 一方が一方的に情報を開示
典型的な使用場面 M&A・共同開発・業務提携検討 コンサル依頼・外注・初回提案
交渉上の立場 対等関係に多い 発注者が優位な関係に多い

どちらを選ぶかの判断ポイント

  • 相手からも機密情報が開示される場合は双方向NDAを選ぶ(自社情報の保護にもなる)
  • 自社が情報を開示するだけで、相手から機密情報は来ない場合は片務NDAで十分
  • 迷ったら双方向NDAにしておくと後からの争いを防げる
  • 相手方が「双方向にしてほしい」と言ってきた場合、それ自体は合理的な要求

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NDAに必須の8条項

取引先間のNDAには、以下の8条項を盛り込むことで実効性のある契約になります。各条項が抜けていると、いざ違反が起きたときに法的対応が難しくなります。

第1条 秘密情報の定義(含む情報・除外情報)

NDAで最も重要な条項です。何が「秘密情報」に該当するかを具体的に列挙します。定義が曖昧だと「その情報は秘密情報に含まれない」と主張されるリスクがあります。

  • 技術情報(設計図・ソースコード・製造方法・研究データ)
  • 営業情報(顧客リスト・価格設定・営業戦略・仕入先情報)
  • 財務情報(売上・原価・資金調達内容・予算)
  • 人事情報(給与・組織図・採用方針)
  • 事業計画・M&A・提携交渉に関する情報

第2条 秘密保持義務

受け取った秘密情報を第三者に開示・漏洩しない義務を定めます。業務遂行に必要な役員・従業員・専門家(弁護士・会計士)への開示は例外とし、その場合も同等の義務を課すことを明記します。

第3条 目的外使用禁止

秘密情報を本契約の目的(特定の取引・検討・開発等)以外に使用することを禁止します。競合他社への転用・自社開発への流用・投資判断への利用などが禁止対象となります。

第4条 複製制限

秘密情報の複製・記録・保存を必要最小限に制限します。クラウドストレージへの保存・スクリーンショット・印刷物の社外持ち出しなどについて具体的に定めます。

第5条 情報の返還・廃棄

契約終了時または相手方から要求があった場合に、秘密情報が記載された資料・データ・媒体を返還または廃棄する義務を定めます。廃棄証明の提出を求める条項を入れるとより確実です。

第6条 有効期間(契約期間 + 存続期間)

NDAには2つの期間概念があります。契約期間はNDA自体が有効な期間(例: 取引期間中)、存続期間は契約終了後も義務が続く期間(例: 終了後3年)です。両方を明記しておかないと、「契約が終わったから義務もなくなった」と主張されることがあります。

第7条 損害賠償

秘密情報の漏洩・目的外使用により損害が生じた場合の賠償義務を定めます。違約金条項(損害賠償額の予定)を設定する場合は金額を明記します。ただし過大な違約金は裁判所によって減額される場合があります。

第8条 合意管轄

紛争が生じた場合にどの裁判所で解決するかを定めます。一般的には情報を開示した側(守りたい側)の本社所在地を管轄する地方裁判所を指定します。

秘密情報の定義の書き方(最重要)

NDA実務でトラブルが最も多いのが秘密情報の定義です。定義が曖昧であると「その情報が秘密情報だとわからなかった」という主張が通ってしまいます。

マーキング方式 vs 全件秘密方式

方式 内容 メリット デメリット
マーキング方式 「Confidential」「社外秘」等のスタンプ・表記がある資料のみ対象 保護範囲が明確・受領側の負担小 スタンプ漏れがあると保護されない
全件秘密方式 開示されたすべての情報を秘密情報とみなす 漏れがない・確実な保護 受領側の負担が大きい・過剰になりがち
折衷方式(推奨) 基本は全件秘密方式。ただし除外情報を明記 実務バランスがよい 除外情報の列挙に注意が必要

口頭開示の取扱い

会議・商談での口頭の情報開示は証拠化が難しいため、「口頭開示後14日以内に書面で秘密である旨を確認した場合に秘密情報とみなす」という条項を入れるのが実務上のスタンダードです。確認書面はメールでも有効です。

除外情報(秘密情報から除くもの)

以下の情報は秘密情報から除外するのが一般的です。これらを除外しておかないと、「受領者が将来独自に同じ技術を開発したのに使えなくなる」などの問題が生じます。

  • 公知情報:開示時点ですでに公になっている情報
  • 独自開発情報:受領者が開示者から独立して自力で開発・取得した情報
  • 第三者から取得した情報:秘密保持義務なしに第三者から正当に入手した情報
  • 法令・規制により開示が義務付けられた情報(裁判所命令・行政機関の要求等)

有効期間と存続期間の決め方

NDAの期間設定は、情報の価値・取引の性質に応じて適切に定めることが重要です。期間が短すぎると保護が不十分になり、長すぎると相手方が応じなかったり法的に問題になることがあります。

契約期間の設定

  • 新規取引の検討段階:検討開始から1年が目安
  • 継続的な業務委託・取引:取引期間中(自動更新条項を入れる場合も)
  • M&A・資本提携の検討:デューデリジェンス開始から最終決定まで(通常1〜2年)
  • 共同開発:開発期間中(製品リリース後の存続期間を別途設定)

存続期間の設定

  • 一般的な取引情報:契約終了後3年
  • 技術・ノウハウ等の高価値情報:契約終了後5年
  • 営業秘密(製造方法・特許出願前の発明等):契約終了後5〜10年

永続NDAは原則NG

「永続的に秘密を守る」という期間の定めのないNDAは、独占禁止法・公序良俗(民法90条)に違反する可能性があります。また受領側の事業活動を過度に制約するものとして有効性が否定されるケースもあります。情報の陳腐化を考慮した合理的な期間を設定することを推奨します。

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違反時の対応

NDAに違反した相手方がいる場合、状況に応じて以下の手段を組み合わせて対応します。証拠の保全が最初のステップです。

損害賠償請求(民事)

NDA違反により生じた損害の賠償を求めることができます。ただし、原則として実際に被った損害額を立証する必要があります。営業秘密漏洩の場合は不正競争防止法9条の損害額推定規定が活用でき、漏洩先が得た利益を自社の損害として推定させることができます。

NDAに違約金条項(損害賠償額の予定)が設定されている場合は、実損害の立証なしに請求できる可能性があります。ただし、過大な違約金は裁判所によって減額される場合があります(民法420条)。

差止請求(不正競争防止法)

営業秘密が不正に使用されている場合、その使用・開示の差止めを求めることができます(不正競争防止法3条)。証拠の収集と弁護士への依頼を並行して進めることが重要です。

刑事告発(不正競争防止法21条)

悪質な営業秘密の窃取・持ち出し・競合他社への提供は、不正競争防止法21条の営業秘密侵害罪として刑事告発が可能です。

  • 個人:10年以下の懲役または2,000万円以下の罰金
  • 法人(両罰規定):5億円以下の罰金

刑事手続きを進める場合は、警察(生活経済課・知的財産犯罪担当)または検察に告訴状を提出します。弁護士を通じて行うのが一般的です。

対応の流れ

  • Step1:漏洩の事実・経路を確認し証拠を保全(メール・チャット・アクセスログ・資料)
  • Step2:弁護士に相談し、民事・刑事両面での対応方針を決定
  • Step3:内容証明郵便で差止・損害賠償を通知
  • Step4:相手方が応じない場合は仮処分申請または訴訟提起
  • Step5:悪質な場合は刑事告訴と並行して進める

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よくある質問(FAQ)

双方向NDAと片務NDA、どちらを使えばよいですか?
双方向NDA(相互NDA)は、両者が秘密情報を開示し合う場面に使います。共同開発・業務提携・M&A検討などが典型例です。片務NDA(一方向NDA)は、情報を開示するのが一方だけの場合に使います。コンサルタントへの依頼・外注先への仕様書開示・初回提案前の口外禁止などが該当します。迷ったときは双方向NDAにしておくと、後から「開示された側も義務がないのか」という争いを防げます。
口頭で話した内容も秘密情報になりますか?
口頭開示された情報を秘密情報として保護するには、「口頭開示後14日以内に書面で秘密である旨を確認する」という手続きを契約書に定めておく必要があります。この規定がないと、口頭の内容は保護対象外と判断されるリスクがあります。重要な口頭のやり取りは、その後すぐにメールで「本日お話しした○○の内容は秘密情報です」と確認しておくのが実務上の対応です。
有効期間はどれくらいが適切ですか?
契約期間(NDAが有効な期間)は取引期間に合わせて1〜3年が一般的です。存続期間(契約終了後も義務が続く期間)は機密情報の陳腐化を考慮して3〜5年が多く採用されています。「永続的に秘密を守る」という永続NDAは、独占禁止法・公序良俗の観点から原則として有効性が否定されやすいため、合理的な期間を設定することを推奨します。
NDAに違反した相手を訴えるにはどうすればよいですか?
違反が判明したら、まず証拠の保全(メール・チャット履歴・漏洩した資料の特定)を行います。次に弁護士に依頼して内容証明郵便で差止請求・損害賠償請求を通知します。民事では不正競争防止法2条・不法行為(民法709条)・NDA違反による損害賠償を請求できます。さらに悪質な場合(競合他社への転売・持ち出しを意図した不正取得)は不正競争防止法21条の営業秘密侵害罪として刑事告発も可能です。
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