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雇用契約書とは
雇用契約書とは、会社と労働者が労働条件に合意したことを書面で確認する契約書です。民法623条に基づく雇用契約を文書化したものであり、労使双方が署名・押印することで「この条件に合意した」という証拠になります。
法律上の交付義務はありませんが、採用トラブル・賃金トラブル・解雇トラブルを防止するために、実務上は作成が強く推奨されます。
雇用契約書 vs 労働条件通知書の違い
混同されやすい2つの書類ですが、法的な性質が異なります。
| 項目 | 雇用契約書 | 労働条件通知書 |
|---|---|---|
| 法的性質 | 労使双方の合意による契約 | 会社から労働者への一方的な通知 |
| 交付義務 | 義務ではない(実務上推奨) | 労基法15条で義務(違反で罰金) |
| 署名・押印 | 労使双方の署名押印あり | 不要(会社からの通知のみ) |
| 効果 | 合意の証拠として紛争時に有力 | 明示義務の履行。記載と異なる場合は即時解除可能 |
| 電磁的交付 | 電子署名での締結が可能 | 2024年4月以降、電磁的方法での交付が原則可能 |
両者を兼ねた「労働条件通知書 兼 雇用契約書」を一枚にまとめる方法もあります。労働条件通知書テンプレートの詳細はこちら。
雇用契約と実態が違う?未払い残業代を確認
雇用契約書の記載と実際の労働時間・賃金が違う場合、過去3年分の未払い残業代を請求できます。タイムカードや業務メールから時間を抽出して概算できます。
残業代を計算する雇用契約書に必須の記載事項
労働基準法施行規則5条に基づき、以下の項目は書面で明示する必要があります(労働条件通知書の必須事項と共通)。
- 労働契約の期間: 無期・有期の別、有期の場合は期間・更新の有無・更新上限(2024年4月改正)
- 就業場所・業務の内容: 採用直後だけでなく将来の変更範囲も明示(2024年4月改正)
- 始業・終業時刻・休憩・休日・休暇: 時間外労働の有無を含む
- 賃金: 基本給・各種手当の種類と金額・賃金締切日・支払日・支払方法
- 退職に関する事項: 解雇事由を含む(相対的必須事項)
- 昇給に関する事項(口頭でも可だが書面記載を推奨)
上記に加え、雇用契約書では以下の条項を任意で追加できます。
- 試用期間の設定と取扱い
- 競業避止義務(退職後の同業他社への転職制限)
- 秘密保持義務(営業秘密・顧客情報の取扱い)
- 知的財産権の帰属(職務著作・職務発明の処理)
雇用形態別の注意点
正社員
- 試用期間の扱い: 試用期間中は本採用と異なる条件(賃金・保険加入時期等)を設定できる場合がありますが、採用後14日を超えた場合は通常の解雇予告が必要です(労基法21条)
- 競業避止義務の妥当性: 管理職・営業職など、退職後に競業避止条項を定める場合は、地域・期間・職種を限定し、代償措置(退職金の上乗せ等)を設けることで有効性が高まります。東京地裁では「期間2年以内・一定地域内」が有効とされた事例があります
契約社員(有期労働契約)
- 無期転換ルール: 同一の使用者との有期契約が通算5年を超えた場合、労働者の申込みにより無期労働契約に転換されます(労働契約法18条)。更新上限がある場合はその上限を明示する必要があります(2024年4月改正)
- 更新上限の明示義務: 2024年4月以降、「最大3回まで更新」「通算3年を超えない」などの更新上限がある場合は、契約締結時に明示が必要です
- 雇い止め: 反復更新により合理的期待が生じた場合、雇い止めは解雇と同等の規制を受けます(労働契約法19条)
アルバイト・パート(短時間労働者)
- 社会保険の適用拡大: 週20時間以上・月額賃金88,000円以上・2ヶ月超の雇用見込み等の条件を満たす場合、従業員51人以上の企業では社会保険の適用対象となります(2024年10月から51人以上の企業に拡大)
- パートタイム・有期雇用労働法: 不合理な待遇差禁止(均等・均衡待遇)の規制が適用されます。同一労働同一賃金の原則に基づき、正社員との待遇差を合理的に説明できる必要があります
- 追加の明示事項: 昇給の有無・退職手当の有無・賞与の有無・相談窓口の4項目を追加で明示する必要があります
嘱託(定年後再雇用)
- 定年後再雇用の条件: 高年齢者雇用安定法により、65歳までの雇用確保が義務付けられています。再雇用時の賃金引下げは、職務内容・責任の変化に応じた合理的な範囲であれば認められます
- 賃金引下げの相場: 定年前の60〜70%程度が実態として多いとされますが、在職老齢年金・雇用保険の高年齢雇用継続給付との兼ね合いも考慮する必要があります
- 有期契約の更新: 嘱託社員は通常1年ごとの有期契約で更新されます。無期転換ルールの特例(継続雇用の高齢者)の適用を受けるには所定の届出が必要です
この契約書、不利な条項になっていませんか?
雇用契約書は競業避止義務・損害賠償・解除条件でトラブルが多発しています。弁護士による契約書チェックで、リスクのある条項を診断できます。労働問題に強い弁護士に 無料相談 可能。
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違法な雇用契約書の見抜き方
以下のような条項は、労働基準法に違反する可能性があります。雇用契約書にこれらが含まれている場合は、その条項は無効となります(労基法13条)。
- 損害賠償の予定額を定める条項(労基法16条違反)
「遅刻1回につき罰金1万円」「ミスをした場合は損害額を全額負担」などは違法です。実際に損害が発生した場合に民事で請求する権利は会社にありますが、あらかじめ金額を定めることは禁止されています - 前借金と賃金の相殺条項(労基法17条・24条違反)
「研修費100万円を前貸しし、退職時に返済する」といった形で労働を強制する条項は違法です。また、賃金からの一方的な天引きも原則禁止です - 保証金・制裁金の徴収(労基法18条・91条違反)
採用時に「保証金を預ける」「損害賠償保証のために給与を一部積み立てる」といった条項は違法です。また、制裁として賃金を控除する場合は1回につき平均賃金の半額、総額で賃金総額の10分の1を超えてはなりません - 行き過ぎた競業避止義務
期間・地域・職種の限定がなく、代償措置もない競業避止条項は、公序良俗違反(民法90条)として無効となる可能性があります - 退職を困難にする条項
「退職には1年前に申告が必要」などは、民法627条の2週間前申告ルールと比較して過度に制限的な場合は無効となり得ます
「自分の契約書が適法かどうか不安」という方は、弁護士への相談をご検討ください。
電子契約サービスの選び方
雇用契約書の締結を電子化することで、印紙税の節約・締結スピードの向上・書類保管コストの削減が可能です。2022年の電子帳簿保存法改正以降、電子契約での締結書類も適法に保存できるようになっています。
| 選定ポイント | 確認すること |
|---|---|
| 法的有効性 | 電子署名法に準拠しているか・立会人型か当事者型か |
| 料金体系 | 送信件数課金か月額定額か・無料プランの有無 |
| 使いやすさ | 受信側(労働者)がアカウント登録なしで署名できるか |
| 保管・検索 | 締結済みの書類をクラウドで検索・一括管理できるか |
| 他システムとの連携 | 人事システム・勤怠管理との連携API有無 |
契約締結を5分で完了する電子契約サービス
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- 締結履歴のクラウド保管・改ざん防止
労働時間を正確に記録するには
雇用契約書を交付した後、実際の労働時間を正確に記録する仕組みを整えることが、労務トラブル防止のうえで重要です。タイムカードや手書き記録では、改ざんや計算ミスが生じやすく、監督署の調査でも課題になりやすい点です。
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