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秘密保持誓約書とは
秘密保持誓約書とは、従業員が会社に対して業務上知り得た機密情報を外部に漏洩しないことを誓約する書面です。企業が保有する顧客情報・技術情報・財務情報などの営業秘密を保護するために締結します。
NDA(秘密保持契約書)との違い
| 項目 | 秘密保持誓約書 | NDA(秘密保持契約書) |
|---|---|---|
| 当事者 | 従業員から会社への一方的誓約 | 企業間など対等な双務契約 |
| 義務の方向 | 一方向(従業員のみ義務を負う) | 双方向(相互に義務を負う) |
| 主な使用場面 | 雇用時・退職時の従業員管理 | 取引先・業務委託先との締結 |
| 法的効力 | 有効(就業規則との整合が必要) | 有効 |
雇用時と退職時で書式が異なる理由
雇用時の誓約書は在職中の秘密保持義務・情報の目的外使用禁止が中心です。退職時の誓約書は情報の返還確認・退職後も継続する秘密保持義務・競業避止義務を明確化するために必要です。両者は保護目的が異なるため、書式を分けて締結するのが適切です。
雇用時の秘密保持誓約書(必須記載事項)
入社時に取得する誓約書には、以下の項目を明記することで、在職中の情報漏洩リスクを低減できます。
1. 秘密情報の定義
何が「秘密情報」にあたるかを具体的に定義します。範囲が曖昧だと、従業員が「これが秘密だとわからなかった」と主張するリスクがあります。
- 顧客情報(氏名・連絡先・購買履歴・取引条件)
- 財務情報(売上・原価・予算・資金調達内容)
- 人事情報(給与・評価・採用選考内容)
- 技術情報(製造方法・ソースコード・研究データ)
- 営業情報(営業戦略・仕入先・価格設定)
2. 目的外使用の禁止
秘密情報を業務目的以外で使用することを禁止します。SNSへの投稿・競合他社への提供・私的利用がこれにあたります。
3. 複製・持ち出しの禁止
会社の許可なく秘密情報を複製・記録・持ち出すことを禁止する条項です。USBへのコピー・スクリーンショット・印刷物の持ち帰りを禁じます。
4. 退職時の返還義務
会社の秘密情報が記載された資料・データを退職時に返還または廃棄する義務を定めます。
5. 損害賠償
秘密保持義務に違反した場合に損害賠償を負うことを定めます。損害賠償額の予定(違約金)を設定する場合は金額を明記します。
6. 有効期間
退職後も秘密保持義務が継続する期間を定めます。一般的には退職後3〜5年とすることが多いですが、業種・職種によって異なります。
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退職時の秘密保持誓約書(必須記載事項)
退職時の誓約書は、在職中に取得した機密情報が退職後に持ち出されることを防ぐための重要書類です。
1. 情報の返還確認
退職時点で秘密情報が記録された資料・データ・媒体を全て返還または廃棄したことを確認します。返還済みの物品をリストアップして付属書類として添付する方法が確実です。
2. 秘密保持義務の継続
退職後も一定期間、在職中に知り得た秘密情報を第三者に開示・漏洩しない義務が継続することを確認します。
3. 競業避止義務
退職後に競合他社へ就職したり競合事業を立ち上げたりすることを制限する条項です。ただし、裁判所は過大な競業避止義務を無効とする傾向があります(後述)。
4. 顧客・取引先への接触禁止
退職後に在職中に関与した顧客・取引先に対して、一定期間、勧誘・接触することを禁止する条項です。
5. 損害賠償
違反した場合の損害賠償義務を定めます。損害賠償額の予定を設定する場合は、裁判所による減額可能性も考慮した金額設定が望ましいです。
6. 裁判管轄
紛争が生じた場合にどの裁判所で解決するかを定めます。一般的には会社の本社所在地を管轄する地方裁判所とします。
競業避止義務の有効性
競業避止義務条項は、内容によっては公序良俗違反(民法90条)として無効とされる場合があります。裁判所は以下の要素を総合的に判断します。
| 判断要素 | 有効とされやすい条件 | 無効リスクが高い条件 |
|---|---|---|
| 保護利益 | 具体的な営業秘密・顧客情報あり | 保護すべき利益が不明確 |
| 従業員の地位 | 役員・管理職・重要業務担当者 | 一般従業員・パートタイム |
| 期間 | 1〜2年(判例上の目安) | 3年超 |
| 地域 | 特定エリアに限定 | 全国・無制限 |
| 職種制限 | 具体的な職種・業務に限定 | 同業全般を広く禁止 |
| 代償措置 | 競業避止手当あり | 代償なし |
フォセコ・ジャパン事件(奈良地裁 昭和45年)
鋳鉄用化学品製造会社の従業員が退職後に競合会社へ就職した事案です。裁判所は退職後2年間・特定の競業製品に限定した競業避止義務を有効と判断しました。この判決は競業避止義務の有効性判断の先例として現在も参照されています。代償措置の有無・制限期間・業務の限定が重要な判断基準となります。
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違反した場合のリスク
秘密保持義務・競業避止義務に違反した場合、以下の法的リスクが発生します。
民事上の損害賠償
会社が被った実損害を賠償する義務が生じます。不正競争防止法9条の損害額推定規定により、漏洩先が得た利益が会社の損害と推定されるため、高額の賠償請求につながる可能性があります。また誓約書に違約金条項がある場合はその金額が請求対象となります。
刑事責任(不正競争防止法)
会社の営業秘密を不正に取得・使用・開示した場合は不正競争防止法2条・21条の営業秘密侵害罪が適用されます。法定刑は10年以下の懲役または2,000万円以下の罰金(法人には5億円以下の罰金)です。競合他社への転職目的での持ち出しは特に厳しく扱われます。
退職金の返還請求
就業規則に退職金返還規定がある場合、競業避止義務違反を理由に退職金の全部または一部の返還を求められることがあります。ただし、過大な返還請求は無効とされる判例もあります。
電子契約サービスでの締結
秘密保持誓約書は印紙税の課税対象文書ではないため、電子契約での締結にも特段のデメリットはありません。電子契約を使うと以下のメリットがあります。
- 締結履歴の自動保管(誰がいつ署名したか記録に残る)
- 改ざん防止機能(ファイルへの後付け変更を防止)
- 郵送・印刷コストの削減
- リモートワーク従業員への対応(対面不要)
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