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秘密保持誓約書テンプレート

秘密保持誓約書テンプレートを無料ダウンロード。雇用時誓約書と退職時誓約書の2種同梱、従業員の秘密保持義務を明確化。Word・Googleドキュメント・印刷用PDFと記入例PDFを完備、損害賠償条項・違反時の法的措置まで完全網羅。

最終更新: 2026年5月5日 WordPDF 会員登録不要・無料
2026年5月11日 時点の情報
経済産業省 営業秘密管理ハンドブック
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記入例・書き方サンプル (記入済みのサンプルPDF)

秘密保持誓約書テンプレートのプレビュー
雇用時・退職時の2種同梱・損害賠償条項対応

秘密保持誓約書とは

秘密保持誓約書とは、従業員が会社に対して業務上知り得た機密情報を外部に漏洩しないことを誓約する書面です。企業が保有する顧客情報・技術情報・財務情報などの営業秘密を保護するために締結します。営業秘密として法的保護を受けるためには 不正競争防止法2条6項 が定める3要件(後述)を満たす必要があり、誓約書はその「秘密管理性」の証拠となる重要書面です。

営業秘密の3要件(不正競争防止法2条6項)

営業秘密として法律で保護されるためには、以下の3要件を全て満たす必要があります。誓約書はこのうち「秘密管理性」を担保する重要な手段です。

要件 内容 満たすための施策
秘密管理性 秘密として管理されていること 誓約書取得・マル秘表示・アクセス制限・施錠保管
有用性 事業活動に有用な技術上・営業上の情報 顧客情報・製造ノウハウ・販売戦略等
非公知性 公然と知られていないこと 未公開情報の状態を維持・公開禁止の周知

3要件のいずれかを欠くと、漏洩されても不正競争防止法による保護を受けられず、損害賠償・差止・刑事罰の対象にできません。詳細は 経済産業省 営業秘密管理指針 を確認してください。

秘密保持誓約書(入社時 vs 退社時)の違い

項目 入社時誓約書 退社時誓約書
取得タイミング 採用内定後・入社初日 退職日前後(最終出社日が一般的)
主な目的 在職中の漏洩予防・秘密情報の周知 退職後の秘密保持・情報返還確認
記載の中心 秘密情報の定義・目的外使用禁止・複製禁止 情報返還確認・退職後の秘密保持・競業避止
競業避止条項 含めることもあるが効力は退職時より弱い 必須記載(期間・地域・代償措置を明示)
署名拒否時の対応 採用条件として求めることが多い 強制不可・就業規則の義務は別途存続
有効期間 在職中+退職後3〜5年 退職後3〜5年(情報により無期限)

両者は保護目的が異なるため書式を分けて締結することが推奨されます。本テンプレートは入社時・退社時の2種を同梱しています。

NDA(秘密保持契約書)との違い

NDAは企業間など対等な当事者が相互に秘密保持義務を負う双務契約であり、誓約書は従業員から会社への片務的な誓約書面という根本的な違いがあります。

項目 秘密保持誓約書 NDA(秘密保持契約書)
当事者 従業員から会社への一方的誓約 企業間など対等な双務契約
義務の方向 一方向(従業員のみ義務を負う=片務) 双方向(相互に義務を負う=双務)
主な使用場面 雇用時・退職時の従業員管理 取引先・業務委託先との締結
署名押印 従業員のみ署名・会社印は不要が一般的 双方の代表者が署名・記名押印
法的効力 有効(就業規則との整合が必要) 有効

雇用時の秘密保持誓約書(必須記載事項)

入社時に取得する誓約書には、以下の項目を明記することで、在職中の情報漏洩リスクを低減できます。 個人情報保護法 に基づく従業員教育の一環としても重要です。

1. 秘密情報の定義

何が「秘密情報」にあたるかを具体的に定義します。範囲が曖昧だと、従業員が「これが秘密だとわからなかった」と主張するリスクがあり、営業秘密3要件の「秘密管理性」を欠くことになります。

  • 顧客情報(氏名・連絡先・購買履歴・取引条件)
  • 財務情報(売上・原価・予算・資金調達内容)
  • 人事情報(給与・評価・採用選考内容)
  • 技術情報(製造方法・ソースコード・研究データ)
  • 営業情報(営業戦略・仕入先・価格設定)

2. 目的外使用の禁止

秘密情報を業務目的以外で使用することを禁止します。SNSへの投稿・競合他社への提供・私的利用がこれにあたります。

3. 複製・持ち出しの禁止

会社の許可なく秘密情報を複製・記録・持ち出すことを禁止する条項です。USBへのコピー・スクリーンショット・印刷物の持ち帰りを禁じます。

4. 退職時の返還義務

会社の秘密情報が記載された資料・データを退職時に返還または廃棄する義務を定めます。

5. 損害賠償

秘密保持義務に違反した場合に損害賠償を負うことを定めます。損害賠償額の予定(違約金)を設定する場合は金額を明記します。

6. 有効期間

退職後も秘密保持義務が継続する期間を定めます。一般的には退職後3〜5年とすることが多いですが、業種・職種によって異なります。

退職時の秘密保持誓約書(必須記載事項)

退職時の誓約書は、在職中に取得した機密情報が退職後に持ち出されることを防ぐための重要書類です。

1. 情報の返還確認

退職時点で秘密情報が記録された資料・データ・媒体を全て返還または廃棄したことを確認します。返還済みの物品をリストアップして付属書類として添付する方法が確実です。

2. 秘密保持義務の継続

退職後も一定期間、在職中に知り得た秘密情報を第三者に開示・漏洩しない義務が継続することを確認します。

3. 競業避止義務

退職後に競合他社へ就職したり競合事業を立ち上げたりすることを制限する条項です。ただし、裁判所は過大な競業避止義務を無効とする傾向があります(後述)。

4. 顧客・取引先への接触禁止

退職後に在職中に関与した顧客・取引先に対して、一定期間、勧誘・接触することを禁止する条項です。

5. 損害賠償

違反した場合の損害賠償義務を定めます。損害賠償額の予定を設定する場合は、裁判所による減額可能性も考慮した金額設定が望ましいです。

6. 裁判管轄

紛争が生じた場合にどの裁判所で解決するかを定めます。一般的には会社の本社所在地を管轄する地方裁判所とします。

競業避止義務の有効性

競業避止義務条項は、内容によっては公序良俗違反(民法90条)として無効とされる場合があります。裁判所は以下の要素を総合的に判断します。

判断要素 有効とされやすい条件 無効リスクが高い条件
保護利益 具体的な営業秘密・顧客情報あり 保護すべき利益が不明確
従業員の地位 役員・管理職・重要業務担当者 一般従業員・パートタイム
期間 1〜2年(判例上の目安) 3年超
地域 特定エリアに限定 全国・無制限
職種制限 具体的な職種・業務に限定 同業全般を広く禁止
代償措置 競業避止手当あり 代償なし

フォセコ・ジャパン事件(奈良地裁 昭和45年)

鋳鉄用化学品製造会社の従業員が退職後に競合会社へ就職した事案です。裁判所は退職後2年間・特定の競業製品に限定した競業避止義務を有効と判断しました。この判決は競業避止義務の有効性判断の先例として現在も参照されています。代償措置の有無・制限期間・業務の限定が重要な判断基準となります。

誓約書を取らないリスク(民事・刑事責任)

秘密保持誓約書を取得していない場合、企業は以下のリスクに直面します。

民事上のリスク

  • 営業秘密3要件の不充足: 誓約書がないと「秘密管理性」を立証できず、 不正競争防止法2条6項 による法的保護を受けられない
  • 損害賠償請求の困難化: 漏洩元従業員に対する具体的な義務違反を立証できず、損害賠償請求が認められないリスク
  • 差止請求の不可: 不正競争防止法3条による差止請求が認められず、漏洩拡大を止められない
  • 顧客流出: 退職者による顧客引き抜き・取引先勧誘を防止できない

刑事上のリスク

  • 営業秘密侵害罪の不適用: 秘密管理性が立証できないと、不正競争防止法21条の刑事告発が成立しない
  • 個人情報漏洩時の責任拡大: 個人情報保護法に基づく従業員教育義務の不履行と評価され、企業側の管理責任が問われる
  • 取引先からの信頼喪失: 取引先情報の漏洩発生時、契約解除・賠償請求の対象となる

レピュテーションリスク

顧客情報や技術情報の漏洩が発生すると、企業ブランド・株価・採用力すべてに影響します。誓約書1枚の整備でリスクを大幅に低減できるため、全従業員からの取得を強く推奨します。

違反時の対応フロー(証拠保全→警告→法的措置)

秘密保持義務違反が疑われる場合、以下の段階で対応します。早期の証拠保全が訴訟成否を分けます。

STEP 1: 証拠保全(発覚後すぐ)

  • 漏洩元従業員のPCログ・メール送信履歴・USBアクセス履歴を保全
  • 退職時の貸与品返却記録・誓約書原本・就業規則を確保
  • 漏洩先の特定(競合他社への転職・SNS投稿・取引先からの情報流入等)
  • 必要に応じて専門業者によるデジタルフォレンジック調査を実施

STEP 2: 内容証明郵便による警告(証拠固め後 1〜2週間以内)

  • 漏洩元・漏洩先の双方に内容証明郵便で警告書を送付
  • 違反行為の中止・情報の使用禁止・損害賠償の予告を明記
  • 弁護士名義で送付すると相手方への心理的圧力が大きい

STEP 3: 仮処分申立て(拡散リスクが高い場合)

  • 不正競争防止法3条に基づく差止仮処分を地裁に申立て
  • SNS投稿削除・営業活動禁止・取引先への連絡禁止を求める
  • 担保金(数十万〜数百万円)の供託が必要な場合あり

STEP 4: 本訴提起・刑事告訴

  • 民事訴訟による損害賠償・差止請求
  • 悪質な場合は 不正競争防止法21条 に基づく刑事告訴(10年以下の懲役・2,000万円以下の罰金)
  • 退職金返還請求・氏名公表(就業規則に基づく場合)

STEP 1〜2の対応スピードが重要です。漏洩発覚から24時間以内の証拠保全・48時間以内の弁護士相談が理想です。

違反した場合のリスク

秘密保持義務・競業避止義務に違反した場合、以下の法的リスクが発生します。

民事上の損害賠償

会社が被った実損害を賠償する義務が生じます。不正競争防止法5条の損害額推定規定により、漏洩先が得た利益が会社の損害と推定されるため、高額の賠償請求につながる可能性があります。また誓約書に違約金条項がある場合はその金額が請求対象となります。

刑事責任(不正競争防止法)

会社の営業秘密を不正に取得・使用・開示した場合は不正競争防止法2条・21条の営業秘密侵害罪が適用されます。法定刑は10年以下の懲役または2,000万円以下の罰金(法人には5億円以下の罰金)です。競合他社への転職目的での持ち出しは特に厳しく扱われます。

退職金の返還請求

就業規則に退職金返還規定がある場合、競業避止義務違反を理由に退職金の全部または一部の返還を求められることがあります。ただし、過大な返還請求は無効とされる判例もあります。

電子契約サービスでの締結

秘密保持誓約書は印紙税の課税対象文書ではないため、電子契約での締結にも特段のデメリットはありません。電子契約を使うと以下のメリットがあります。

  • 締結履歴の自動保管(誰がいつ署名したか記録に残る)
  • 改ざん防止機能(ファイルへの後付け変更を防止)
  • 郵送・印刷コストの削減
  • リモートワーク従業員への対応(対面不要)
  • 原本管理の手間が不要

クラウドサイン・GMOサイン・freeeサインなどのサービスを利用すると、従業員の入社手続き全体を電子化する際に一元管理できます。雇用契約書や労働条件通知書と合わせて締結する場合に特に効果的です。

関連テンプレート: 雇用契約書テンプレート労働条件通知書テンプレート もあわせてご活用ください。

よくある質問

秘密保持誓約書と秘密保持契約書(NDA)の違いは?
秘密保持誓約書は従業員が会社に対して一方的に義務を誓う書面(片務)です。一方、NDA(秘密保持契約書)は企業間など対等な当事者が相互に秘密保持義務を負う双務契約です。誓約書は採用時・退職時の従業員管理に使われ、NDAは取引先・業務委託先との締結に使われます。法的効力に差はありませんが、一方当事者が優位な立場にある雇用関係では誓約書形式が一般的です。
入社時に誓約書を求められたが、応じる義務はある?
秘密保持誓約書への署名は、就業規則・雇用契約書に基づく業務命令の範囲内として応じることが原則です。ただし、過度に広い競業避止義務・過大な損害賠償条項・氏名公表条項などが含まれる場合は注意が必要です。署名前に内容を確認し、不明な条項は会社へ説明を求めましょう。条項に不安がある場合は労働問題に強い弁護士に相談してから署名することも可能です。なお、署名拒否を理由とした不利益処分は違法となる可能性があります。
雇用時に署名を強制された場合は応じるべき?
秘密保持誓約書への署名は一般的な業務命令の範囲内として応じる必要があります。ただし、過度に広い競業避止義務や過大な損害賠償条項が含まれている場合は注意が必要です。署名前に内容をよく確認し、不明な条項については会社に説明を求めることができます。競業避止の範囲・期間・代償措置に問題があると感じた場合は、労働問題に強い弁護士への相談をおすすめします。
誓約書を破った場合の罰則は?
違反した場合、民事上は損害賠償請求(実損害+違約金条項があればその金額)、刑事上は不正競争防止法21条の営業秘密侵害罪10年以下の懲役または2,000万円以下の罰金(法人は5億円以下)が科される可能性があります。さらに退職金の返還請求・差止請求・氏名公表が行われることもあります。営業秘密漏洩は会社の信用問題にも直結するため、企業側は強硬に対処する傾向があります。
退職後も拘束される?
秘密保持義務は退職後も継続するのが一般的で、誓約書では「退職後3〜5年」と定めることが多いです。営業秘密として保護される情報については、不正競争防止法により期間の定めなく保護される場合もあります。一方、競業避止義務は退職後の職業選択の自由を制限するため、裁判所が「期間1〜2年・地域・職種を限定・代償措置あり」を有効性の目安とし、過大なものは無効と判断します。
誓約書を双方で交わすべきか片務でよいか?
雇用関係では従業員から会社への片務的な誓約書が一般的です。会社側も従業員の個人情報を取り扱うため、個人情報保護法に基づく管理義務は会社が負っており、誓約書とは別に就業規則・プライバシーポリシーで担保されているのが通常です。取引先・業務委託先との関係であれば、対等な双務NDAで締結すべきです。雇用契約と業務委託契約の混在企業では、両者を区別して書式を使い分けることが重要です。
退職時に署名拒否したらどうなる?
退職時の誓約書への署名には法的な強制力はなく、署名しなくても退職自体は妨げられません。ただし、秘密保持義務自体は就業規則や雇用契約書に基づき署名の有無にかかわらず存続する場合があります。会社から署名を求める圧力をかけられた場合は、弁護士への相談をご検討ください。なお、署名拒否を理由とした解雇・不利益処分は違法となる可能性があります。
競業避止義務の有効性はどう判断される?
裁判所は①保護すべき正当な利益があるか(企業の機密情報・顧客情報等)、②従業員の地位(重要業務に携わっていたか)、③制限の期間・地域・職種の範囲(1〜2年・限定エリアが目安)、④代償措置の有無(競業避止手当等)の4要素を総合的に判断します。これらを欠く過大な競業避止義務条項は公序良俗違反(民法90条)として無効とされる可能性があります。
違反した場合の損害賠償額はどのくらい?
損害賠償額は実際に生じた損害額が原則です。ただし営業秘密漏洩の場合は不正競争防止法5条により損害額の推定規定が適用され、漏洩先が得た利益が会社の損害と推定されます。また誓約書に損害賠償額の予定(違約金条項)が定められている場合、その金額が基準となりますが、裁判所が減額する場合もあります。刑事上は営業秘密侵害罪(不正競争防止法21条)で10年以下の懲役または2,000万円以下の罰金が科される可能性があります。

参考文献・出典

本ページの内容は以下の公的情報源に基づき作成しています(2026-05-12 確認時点)。